【鮮度の研究】暑い夏、氷に塩で鮮度UP

食塩水で氷を作ってみたら…

前回の釣行で海水と同じ塩分濃度の氷を持参したところ、なんだかいつもよりよく冷えている…

調べてみると、ようやく理由がわかりました。

凍りにくいがよく冷える

一般的に、釣った魚はクーラーボックスなどで冷やして持ち帰るかと思いますが、船釣りでは氷を入れたクーラーボックスに魚が浸かる程度の海水を入れた「潮氷」で魚を冷やすことをよく勧められますね。

ただ、真水の氷が溶けると海水の塩分濃度が下がって水っぽくならないのか、と以前から疑問でした。

そこで、先月のタチウオジギングの釣行前、ふとした思いつきで海水と同じ塩分濃度の食塩水で氷を作ってみました。

【釣行記】タチウオジギング釣行記(2022.6.17 金沢八景 太田屋)

2022年6月17日、金沢八景・太田屋の「ルアータチウオ」に乗船した際の釣行記です。

いつもよりよく冷えている…?

この日は一投目からタチウオが釣れてくれたので、タチウオはバケツで泳がせつつ、早速クーラーボックスに海水を投入し、潮氷を準備。

バケツがタチウオでいっぱいになるたびにクーラーに移していくと、ある時クーラーの蓋が開かなくなりました。

どうやら内部が真空状態になり、パッキンが張り付いて開かなくなっているような感触。

そこで、底の栓を開けて空気を入れて蓋を開けると、中から白い冷気がふわっと出てきました。

いつもより冷えてるな…と思いつつ釣りを続け、帰宅後にクーラーボックスからタチウオを出してみると、目が白くなっているものが何本かありました。

クーラーはキンキンに冷えていたので、鮮度が落ちたのではなく、冷えすぎて凍りかけていたようです。

氷が直接触れていたわけでもなく、こんな状態になったのは初めてでした。

「溶解熱」と「氷点降下」でよく冷える

魚が水っぽくならないようにと作った食塩水の氷でしたが、なんだかとてもよく冷える…

化学に疎いので理由がわからず調べてみると、塩による「溶解熱」「氷点降下」によるものであることがわかりました。

なんでも固体が液体に変わったり、個体が液体に溶けたりする際には熱が必要で、前者を「融解熱」、後者を「溶解熱」と言うそうです。

つまり、氷が解けるときは、融解熱の作用により熱が奪われ、冷たい水が出来上がって魚も冷えることになります。

また、真水は0度以下だと凍りますが、塩が溶けた水は0度でも凍らず、塩分濃度が高くなるほど、氷点が低くなり、これを氷点降下と呼ぶそうです。

つまり、真水氷+海水である「潮氷」も、塩分があるため0度以下の液体が出来上がり魚が冷やされますが、食塩水氷+海水の方が塩分濃度が高くなるので、液体が更に冷やされることになるんですね。

また、個体の塩が水に溶けるときの「溶解熱」の作用も温度を下げますが、塩がすでに水に溶けた食塩水の場合、この作用は起こらないようです。

ただ、今回は食塩水の混ぜ方が不十分で、溶けていない塩が氷の中に混ざっていたため、これが氷が溶けだしたときに水に溶け、溶解熱の作用が発生して更に温度を下げる要因になったのかもしれません。

検索してみると、潮氷に塩を加えることで温度を下げる方法を実践している方もおられるようで、真水の氷と海水で潮氷を作ったうえで、塩を追加する方が温度を下げるためには更に効果的なようです。

暑い夏、鮮度を保つ「塩」

もともと水っぽくならないようにと思って用意した食塩水の氷でしたが、思いがけない効果があって驚きました。

これからどうしても暑さで氷が溶けやすい季節ですが、食塩水の氷や塩を用意しておくと、少ない氷でも魚の鮮度を保ちつつ持ち帰るのに役立ちそうですね。

ただ、食塩が限界まで溶けた飽和食塩水の濃度だと、マイナス20度以下にまで温度が下がるようで、そこまでいくと魚が凍ってしまって逆に鮮度低下につながりかねません。

今回用意した海水と同じ濃度の氷であれば、目は白くなりましたが身が凍ってしまうことはなかったので、その程度の塩分濃度になるように調整するのが無難かもしれませんね。

(なお、水っぽさについては、真水で作った氷を使った場合との差は特に感じられませんでした…)

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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